突然解雇すると言われました。解雇は簡単にできるのですか?
使用者は雇っている労働者を簡単に解雇することはできません。逆に言えば労働者は、解雇されたとしても後で解雇の有効性を争い解雇後の賃金を請求できる可能性があります。
労働者にとっても解雇されれば生活の手段を奪われることになるので極めて深刻な事態です。解雇するためには以下の要件を備える必要があります。要件を具備せず事実上解雇したとしても、後で裁判で争われると解雇は無効とされ、解雇後の賃金(バックペイ)を支払わなければならなければならなくなるかもしれません。一方的に解雇を通告して明日から来なくていいと言えばいいなどと考えることは、使用者にとってもリスクです。
①就業規則や労働協約があればその解雇事由に該当し、また、解雇手続に関する定めがあればそれに従うこと
就業規則のない会社でも解雇は可能ですが、④の解雇権の濫用に当たらないことが必要です。
②30日前に予告するか、解雇予告手当を支払うこと(労働基準法20条)
③法律上の解雇禁止に該当しないこと
④解雇権の濫用に当たらないこと(労働契約法16条)
なお、期間の定めがある労働者を期間の途中で解雇する場合は期間の定めのない労働者(正社員)を解雇するよりも解雇の要件が厳しくなります。